生命保険の手数料は高い!?加入前に知っておきたいポイント

近ごろWebやSNSなどで『生命保険不要論』が発信されていますが、なぜなのでしょうか?

主な要因は生命保険の手数料が高いからです。手数料は保険料金に含まれていて、保険商品によって異なりますが、高いもので保険料の50%を超えるものもあるようです。そしてこの手数料を生命保険各社は基本的に非公開にしています。

本記事では生命保険の手数料について、保険に加入すべきか判断するスキル向上に役立つポイントをお伝えします。

目次

保険料の仕組み(純保険料と付加保険料)

生命保険の保険料には、純保険料付加保険料があります。

純保険料は、保険金の支払いを目的とした保険料で、一般的に保障内容が同様であれば保険会社ごとの差はそれほど大きくありません。

一方、保険の手数料に相当するのが付加保険料で、多くの保険会社では非公開ですが、保険商品の種類や保険会社により変わるようです。

付加保険料は、保険会社が事業を運営するために必要とされる費用(経費・利益)で、新契約の締結・成立に必要な経費、保険料集金に要する経費、保険期間を通じて契約を維持管理するための経費が含まれます。人件費・店舗費・光熱費・その他経費等があり、保険代理店経由での販売を行っている場合には、代理店手数料も含まれます。

保険の販売方法(対面型とネット保険型)

生命保険の販売方法には、対面型ネット保険型があります。それぞれの特徴と選び方について解説します。

対面型は、保険会社や代理店に直接出向いて保険契約を結ぶ方法です。保険会社の担当者が直接対応してくれるため、保険商品についての詳しい説明を受けられます。また、保険の相談や手続きについても、担当者がサポートしてくれます。

一方、ネット保険型は、ネット上で保険契約を結ぶ方法です。保険会社のホームページから必要事項を入力するだけで簡単に手続きができます。

対面型に比べて手数料が安く、時間や場所にとらわれずに手続きができるというメリットがあります。しかし、保険商品の詳細については、自分で調べる必要があります。

『保険商品を選ぶ際には、自分に合った販売方法を選ぶことが大切で、自分で保険商品の情報を調べたり、担当者と直接話したりすることで、自分にとって最適な保険商品を選べます』と言いたいですが、保険を売っている人は、自分が売りたい(会社が販売強化していたり、自分のインセンティブが大きい)商品をすすめする可能性もあるので、対面型での保険購入はおすすめしません

必要な保険がある場合は、手数料が安いネット保険で加入することをおすすめします。保険選びに不安がある場合には、保険販売していない独立系FPに有料相談するか、強い意志があれば断る前提で保険販売員の提案をうけるのもおすすめです。

手数料(付加保険料)について

手数料については、生命保険各社が基本的に非公開にしているが、なぜだろうか。

「競合他社に手数料を明かすことで、競争力が低下することを防ぐため」か「顧客に暴利を得ていることがわかり保険が売れなくなることを避けるため」か理由はさもあれ、フェアではないと感じる。

そのような状況のなか、「ライフネット生命」が2023年3月現在唯一、手数料(付加保険料)を商品別に開示しています

死亡保険(掛け捨て)の手数料 @ライフネット生命

ライフネット生命の死亡保険(掛け捨て)の手数料例を見ていこう。

手数料率は性別や年齢や保険金額によって変わっていることがわかる。手数料は保険料の20%~56%である。

保険料は性別や年齢によって大きく変わっていることがわかる。平均寿命が女性(長い)>男性(短い)のため、保険料は男性(高い)>女性(安い)になっている。

例えば、30歳男性が30歳~39歳の間に保険金額:5000万、40~49歳の間に保険金額:3000万の定期保険に加入したとしよう。

スクロールできます
保険料手数料純保険料
30~39歳4,340円×12カ月×10年=
520,800円
520,800円×23%=
119,784円
401,016円
40~49歳5,275円×12カ月×10年=
633,000円
633,000円×22%=
139,260円
493,740円
合計1,153,800円259,044円894,746円
支払い額

20年間で支払う保険料の合計は1,153,800円にのぼります。そのうち259,000円を手数料として支払い、894,746円が純保険料として、保険金の支払いに充てられます。

医療保険(終身)の手数料@ライフネット生命

ライフネット生命の医療保険(終身)の手数料例を見ていこう。

手数料率は性別や年齢や保険金額によって大きく変わらないことがわかる。手数料は保険料の21%~23%である。

保険料については一生涯変わらない保険料となっており、若い時に加入した方が月額保険料が安いことがわかる。

例えば男性が20歳~60歳に本保険のおすすめコース(がん等の3大生活習慣病に備える)に加入した場合に、81歳(2021年の男性平均寿命)までに支払う保険料・手数料の総額を見ていこう。

終身医療保険 しぶんへの保険3おすすめコース

入院給付金日額1万円手術給付金入院中10万円
外来5万円
コースおすすめコースがん治療給付金100万円
先進医療給付金先進医療にかかる
技術料と同額
先進医療見舞給付金10万円
(療養1回につき)
支払限度日数
(1回の入院)
3大生活習慣病は無制限
それ以外は60日
保険期間/
保険料払込期間
終身/
終身
保障内容
スクロールできます
加入年齢保険料手数料純保険料
20歳4,443円×12カ月×62年=
3,305,592円
3,305,592円×23%=
762,600円
2,542,992円
30歳6,100円×12カ月×52年=
3,806,400円
3,806,400円×22%=
851,760円
2,954,640円
40歳8,566円×12カ月×42年=
4,317,264円
4,317,264円×22%=
924,984円
3,374,280円
50歳12,155円×12カ月×32年=
4,667,520円
4,667,520円×21%=
1,001,088円
3,666,432円
60歳16,975円×12カ月×22年=
4,481,400円
4,481,400円×21%=
949,344円
3,532,056円
支払い総額

加入年齢により異なるが、保険料の総額は約330~466万円程度手数料の総額は約76~100万円程度になることがわかる。

また、保険料総額は20歳に加入した場合が最も低いことがわかる。『若く健康なうちに医療保険に加入した方がお得です』よと生命保険会社・代理店は勧めると思うが、加入の必要があるかは慎重に考えた方がよい。

主なデメリット
  • 医療の進歩により、20~30年先に現時点の保障内容が合わなくなっている可能性が高い。
  • 高額療養費制度により、1カ月あたりに必要な医療費の上限があるため、医療費が高額になりにくい。支払った医療保険料内で済む事が大半である。

がん保険(終身)の手数料@ライフネット生命

ライフネット生命のがん保険(終身)の手数料例を見ていこう。

手数料率は性別や年齢や保険金額によって変わっていることがわかる。手数料は保険料の17%~41%である。

保険料については一生涯変わらない保険料となっており、若い時に加入した方が月額保険料が安いことがわかる。また、性別については20~40歳は女性の方が高く、50~60歳は男性の方が高くなっている。

例えば男性が20歳~60歳に本保険のプレミアム(D型)に加入した場合に、81歳(2021年の男性平均寿命)までに支払う保険料・手数料の総額を見ていこう。

がん保険 ダブルエール プレミアム(D型)

がん診断一時金100万円上皮内新生物
診断一時金
50万円
治療サポート給付金月に1回10万円
(回数無制限)
がん収入サポート
給付金
年に1回50万円
(最大5回まで)
がん先進医療給付金先進医療にかかる
技術料と同額
保険期間/
保険料払込期間
終身/
終身
保障内容
スクロールできます
加入年齢保険料手数料純保険料
20歳2,644円×12カ月×62年=
1,967,136円
1,618,128円×23%=
628,680円
1,338,456円
30歳3,646円×12カ月×52年=
2,275,104円
1,793,832円×27%=
609,024円
1,666,080円
40歳5,297円×12カ月×42年=
2,669,688円
1,970,484円×22%=
600,264円
2,069,424円
50歳8,211円×12カ月×32年=
3,153,024円
2,069,172円×19%=
602,880円
2,550,144円
60歳12,348円×12カ月×22年=
3,259,872円
1,629,936円×17%=
557,040円
2,702,832円
支払い総額

加入年齢により異なるが、保険料の総額は約197~326万円程度手数料の総額は約56~63万円程度になることがわかる。

また、保険料総額は20歳に加入した場合が最も低いことがわかる。『若く健康なうちにがん保険に加入した方がお得です』よと生命保険会社・代理店は勧めると思うが、加入の必要があるかは慎重に考えた方がよい。

主なデメリット
  • 医療の進歩により、20~30年先に現時点の保障内容が合わなくなっている可能性が高い。
  • 高額療養費制度により、1カ月あたりに必要な医療費の上限があるため、医療費が高額になりにくい。支払った医療保険料内で済む事が大半である。

就業不能保険の手数料@ライフネット生命

ライフネット生命の就業不能保険の手数料例を見ていこう。

手数料率は性別や年齢や保険金額によって大きく変わらないことがわかる。手数料は保険料の44%~49%である。

保険料については若い方が月額保険料が安いことがわかる。また、性別については女性の方が若干安いことがわかる。

例えば男性が20歳~50歳に本保険の就業不能給付金:月額30万円に加入した場合に、支払期限:70歳までに支払う保険料・手数料の総額を見ていこう。

就業不能保険 働く人への保険3

就業不能給付金月額30万円精神疾患就業
不能一時金
90万円
入院見舞金
(14日以上)
10万円
(入院1回につき)
復帰支援一時金90万円
支払対象外期間60日保険期間/
保険料払込期間
70歳まで/
70歳まで
保障内容
スクロールできます
加入年齢保険料手数料純保険料
20歳7,032円×12カ月×51年=
4,303,584円
4,303,584円×48%=
2,074,068円
2,229,516円
30歳9,272円×12カ月×41年=
4,561,824円
4,561,824円×46%=
2,133,312円
2,428,512円
40歳11,496円×12カ月×31年=
4,276,512円
4,276,512円×46%=
1,970,856円
2,305,656円
50歳13,481円×12カ月×21年=
3,397,212円
3,397,212円×46%=
1,569,204円
1,828,008円
支払い総額

加入年齢により異なるが、保険料の総額は約340~456万円程度手数料の総額は約157~213万円程度になることがわかる。

主なデメリット
  • 手数料が45%超と高いため、貯蓄で備えた方が合理的である。
  • 会社員は就業不能時に傷病手当金が受給できる為、必要以上の保障は不要である。

手数料(代理店手数料)について

代理店手数料の利率

生命保険の代理店手数料については、保険会社と代理店の間で取り決められた手数料です。代理店手数料は保険料の一部として、保険会社から代理店に支払われることになります。

この手数料は保険商品や代理店によって異なりますが、総額で年間保険料の10~100%程度が代理店手数料になる場合が多いようです。

ライフネット生命の代理店手数料率を見ていこう。

商品名手数料率
定期死亡保険37.5%
終身医療保険37.5%
就業不能保険75%
がん保険 シンプル(A型)37.5%
がん保険 ベーシック(C型)75%
がん保険 プレミアム(D型)97.5%
代理店手数料 (出典:ライフネット生命 2023年3月現在)

商品により手数料率が変わるが、手数料率は年間保険料の37.5~97.5%になっている。

また、がん保険において、診断一時金のみ保障されるシンプル(A型)に比べ、退院後の通院給付・がん先進医療給付・収入減少サポート給付のオプションが付く、プレミアム(D型)の保障率が高くなっていることがわかる。

代理店手数料率が高い商品は、保険会社が『販売に力を入れている(特に売りたい)商品』・『利益率が高い商品』であり、代理店としても『特に売りたい商品』となる。

代理店手数料の支払い方法

保険会社から販売代理店に対して支払われる、代理店手数料の支払い方法は、1年払い若しくは5年程度(3~8年程度)払いの場合が多いようです。

5年払いの場合、初年度に多くの金額が支払われ、2~5年目には少ない金額が支払われるL型と、5年間均一の金額が支払われる一型があります。

各支払い方法には差がありますが、代理店は保険販売時の1年目に大きな手数料を受け取り、5年程度手数料を受け取ることが多い。

よって代理店は、5年より長い期間保険に加入してもらったとしても手数料収入が入らないため、『別の新しい保険』や『ライフプランの変化に伴う保険の見直し』の提案して、新たな手数料を得たいと考えます。

まとめ

生命保険の手数料が高いと感じましたか?

単純な比較はできませんが、証券会社で投資信託を購入する場合、人気のある『全世界株式連動投信』や『S&P500連動投信』で年0.1〜0.2%程度の手数料になります。比較すると、生命保険の手数料は桁違いに高いです。

保険は資産形成のためのツールではなく、起こる可能性は低いが起こった時に経済的損失が大きいリスクに対する備えのためのものです。

生命保険で検討が必要なのは、子供が社会人になるまでの世帯主の死亡保障に絞られます。その他のリスクについては、無駄な保険に入らないことで浮いたお金も含めた貯蓄で備えるのが経済合理的です。貯蓄であれば、生命保険を使うリスクが発生しなかった場合でも、他の用途に使うことができます。

『保険で安心を買う』ということも分からなくはありませんが、国の手厚い社会保障制度や、リスク発生時に実際にかかる費用を把握することで、必要以上の保険料を払わずに資産形成していくことが大切です。

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